他ジャンルのお絵かきとか、感想色々とか、バトンとか、日記とかです。
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春コミの挨拶書いてすぐ別記事上げるとかどういう事だ自分。
でも滾らないと頼まれても何も書けないし、滾ると止められても書いてしまう…。
相変わらずの変なマイペースでホントすみません。
イベント御挨拶はすぐ下の記事に有ります。マジでスミマセン。
てことで、滾りまくった劇場版Ⅱネタバレな1*10&1*4*1SSが続きに…。
重大なネタバレを含むので未鑑賞の方は続きを開かないで下さいませ…!
ていうか海物語はどうした。(有言不実行…)
でも滾らないと頼まれても何も書けないし、滾ると止められても書いてしまう…。
相変わらずの変なマイペースでホントすみません。
イベント御挨拶はすぐ下の記事に有ります。マジでスミマセン。
てことで、滾りまくった劇場版Ⅱネタバレな1*10&1*4*1SSが続きに…。
重大なネタバレを含むので未鑑賞の方は続きを開かないで下さいませ…!
ていうか海物語はどうした。(有言不実行…)
劇場版Ⅱ本用に考えてたネタの改訂版なので、劇場版Ⅱネタバレですよー。
大丈夫ですかー??
いきます。
『ラブリーボーン』
それは鉛色の花が空に浮かび。
赤い塗料の様な滑らかな色が大地を流れ。
世界の真ん中に朝日が昇る場所。
「…ここは?」
鋭く響く警笛に起されて。
ゆっくりと目を開けて、空の青さを確かめる。
雲の変わりに浮かぶ花は、柔らかな花弁の綻びを見せていて。
澄み切った空気は、甘い蜜のような香りがした。
起き上がって手足を確かめる。
何か酷く、痛くて辛い思いをした気がする。
けれどももう、それが何なのかも思い出せない。
心地よいもやの掛かった思考に溺れそうな物部の腕を、懐かしい感触が触れた。
「物部…さん」
「…結城君?」
振り向いて、その刹那。
ぱちんと泡がはじける様に、彼の最期の記憶が、彼の脳裏にあふれ出た。
ゲームの終了。消された記憶。何処へとも無く走り出した車。
門の向こうの人影。消え入る様な声と。
叫ぶような、泣き喚くような、恨み言のような、愛の告白のような慟哭。
『僕の事を忘れたの!?』
忘れた筈の全てを思い出して、膨大な情報量に目の前が一瞬霞む。
額に手を置いて上体を屈めた物部に、結城は慌てて寄りそった。
「物部さん!?大丈夫ですか!?」
「…あ、ああ…結城君、君は」
大丈夫か?と尋ねようとして気付く。
撃たれて門柱に突っ込んだはずの自分にも。自分が轢いたはずの結城にも。
何処にも傷なんか、無いって事を。
驚いて相手の顔を見る。
半年前と同じ、純粋で純真な瞳がきょとんとして見返して来て。
物部は全てを理解した。
「どうか、したんですか?」
「いいや、なんでもないよ…それよりあちらへ行こう」
手を伸ばすと、当たり前の様に握り返してくる。
自分と変わらない体格の筈の結城の掌は、いつの間にか随分と小さくなっていた。
「あっちにはなにがあるんですか?」
「…いいものだよ」
目線もあわさずそう告げると、「たのしみです」と嬉しそうな声が返る。
繋いだ手の中で、彼の手はいよいよ小さく細くなって。
「ここだ」
世界の真ん中の太陽の前では、もうほんの子供のようだ。
その姿を見たくなくて、その事を認めたくなくて。
もしかしたらきっと、認めるのが怖くて。
わざとそっぽを向いた視界に、大きな緑の木が映る。
ああ、あそこがそうだ。誰に確かめるでもなく解る。理由は解らないけれど。
「さぁ、もう行きなさい」
「…もののべさんもきますか?」
手を離してもその気配は、隣から動こうとしない。
探るような、不安な目がこちらを向いていると、視線をやらなくても解る。
小さく息を吐いて、心にこっそり落ち着けと命じて。
一思いに振り返って精一杯の笑顔で、「勿論だ」と告げた。
するととても満足したように彼は、にっこりと笑って手を振って。
くるりと踵を返して、光の中へと溶けていった。
その姿は顔に似合った大きさで、丈の足りなかったダッフルはぴったりで。
それを買ってもらったのだという中学生の頃それそのものだった。
「ホントにガキだったのかよアイツ」
「…純粋な子だったからね」
花の香りが消え、代わりに漂うのは煙草の臭い。
赤かった大地は灰色のコンクリートへと姿を変え、周りには緑の高い壁。
寸法を間違えたとしか思えない建物たちは、確かに歌舞伎町の街並みだ。
その場所を生み出す存在を、まさか思い当たらないはずが無い。
「君も傷はないのか」
視線も寄越さず呟く物部に、「おかげさまでな」と近藤は言った。
「しっかし、お前は変わらねぇなぁ…」
「それはお互い様だろう」
結城の消えた光から一度も目を離さず、物部は答えた。
その表情は安心したようで。また寂しそうで。
近藤はわざとらしいため息を吐いて言葉を重ねる。
「思い出したのかよ色々と」
「ああ、結城君がこの半年を忘れたのと逆にね」
強く打った頭のせいか、それとも死の淵にいるからか。
物部の消された記憶は痛ましいほどに戻り、結城のそれは消えていたらしい。
「そりゃ何よりだ」
アイツぁ、流石に気の毒だ。
ガラにも無い事をいう近藤に、自然物部の顔が緩む。
「しかし、こんな長く君がここにいるとはね」
「あぁ?色々と終わるまで見てるくらいは許されてもいいだろうが」
俺だって日本代表の一人だぜ?
いつか物部が滝沢に告げた言葉も聞いていたのだろうか、懐かしい言い回しで近藤が言う。
「それに、ここじゃ半年なんて一瞬だ」
「なるほど」
だから老けたのか。
物部を知る者なら口をそろえてらしくないというだろう軽口を、近藤は舌打ち一つで流す。
「ま、一応結末まで見たし、そろそろ行くか」
やれやれという風な態度だけでは、彼の本当の目的は隠しきれない。
どうせ長生きなんかしやしない自分を。
結城を送った後、一人きりでここに在るだろう自分を。
独りにしない為に居たのだろう。
どれだけ早死にと予想されていたんだか。
失礼なと思った心も、ポンと肩を叩かれる予想外の力強さの前に霧散して。
やがて光に包まれた視界が何も映さなくなるまでの瞬間に。
物部は確かに、おせっかいな知人の少しばかり歪んだ笑顔を目に焼き付けた。
それは、死んでから、天国に行くまでのお話。
劇場版Ⅱ本用に考えてたけどまとまらなかった1*10ネタに、4を入れてみたら思った以上にまとまっちゃったので書いて見ました。
ラブリーボーンていう映画を見たばかりだったので、この世とあの世の間で、時間軸も景色もめちゃくちゃな場所で、彼らが最期の時間を共有してたら何かいいなぁ…という、大変意味不明な文章でした。
ホント、変な話ですみません。
ちなみに最初のあたりの景色は結城君と物部さんが死の間際に見た物で構成。
結城君がちっちゃいのは、精神年齢的な意味です。
1*10なのか1*4*1なのか解りませんが、とりあえず1と4の距離感は『特別な知人』くらいが個人的にとてもツボwww
大丈夫ですかー??
いきます。
『ラブリーボーン』
それは鉛色の花が空に浮かび。
赤い塗料の様な滑らかな色が大地を流れ。
世界の真ん中に朝日が昇る場所。
「…ここは?」
鋭く響く警笛に起されて。
ゆっくりと目を開けて、空の青さを確かめる。
雲の変わりに浮かぶ花は、柔らかな花弁の綻びを見せていて。
澄み切った空気は、甘い蜜のような香りがした。
起き上がって手足を確かめる。
何か酷く、痛くて辛い思いをした気がする。
けれどももう、それが何なのかも思い出せない。
心地よいもやの掛かった思考に溺れそうな物部の腕を、懐かしい感触が触れた。
「物部…さん」
「…結城君?」
振り向いて、その刹那。
ぱちんと泡がはじける様に、彼の最期の記憶が、彼の脳裏にあふれ出た。
ゲームの終了。消された記憶。何処へとも無く走り出した車。
門の向こうの人影。消え入る様な声と。
叫ぶような、泣き喚くような、恨み言のような、愛の告白のような慟哭。
『僕の事を忘れたの!?』
忘れた筈の全てを思い出して、膨大な情報量に目の前が一瞬霞む。
額に手を置いて上体を屈めた物部に、結城は慌てて寄りそった。
「物部さん!?大丈夫ですか!?」
「…あ、ああ…結城君、君は」
大丈夫か?と尋ねようとして気付く。
撃たれて門柱に突っ込んだはずの自分にも。自分が轢いたはずの結城にも。
何処にも傷なんか、無いって事を。
驚いて相手の顔を見る。
半年前と同じ、純粋で純真な瞳がきょとんとして見返して来て。
物部は全てを理解した。
「どうか、したんですか?」
「いいや、なんでもないよ…それよりあちらへ行こう」
手を伸ばすと、当たり前の様に握り返してくる。
自分と変わらない体格の筈の結城の掌は、いつの間にか随分と小さくなっていた。
「あっちにはなにがあるんですか?」
「…いいものだよ」
目線もあわさずそう告げると、「たのしみです」と嬉しそうな声が返る。
繋いだ手の中で、彼の手はいよいよ小さく細くなって。
「ここだ」
世界の真ん中の太陽の前では、もうほんの子供のようだ。
その姿を見たくなくて、その事を認めたくなくて。
もしかしたらきっと、認めるのが怖くて。
わざとそっぽを向いた視界に、大きな緑の木が映る。
ああ、あそこがそうだ。誰に確かめるでもなく解る。理由は解らないけれど。
「さぁ、もう行きなさい」
「…もののべさんもきますか?」
手を離してもその気配は、隣から動こうとしない。
探るような、不安な目がこちらを向いていると、視線をやらなくても解る。
小さく息を吐いて、心にこっそり落ち着けと命じて。
一思いに振り返って精一杯の笑顔で、「勿論だ」と告げた。
するととても満足したように彼は、にっこりと笑って手を振って。
くるりと踵を返して、光の中へと溶けていった。
その姿は顔に似合った大きさで、丈の足りなかったダッフルはぴったりで。
それを買ってもらったのだという中学生の頃それそのものだった。
「ホントにガキだったのかよアイツ」
「…純粋な子だったからね」
花の香りが消え、代わりに漂うのは煙草の臭い。
赤かった大地は灰色のコンクリートへと姿を変え、周りには緑の高い壁。
寸法を間違えたとしか思えない建物たちは、確かに歌舞伎町の街並みだ。
その場所を生み出す存在を、まさか思い当たらないはずが無い。
「君も傷はないのか」
視線も寄越さず呟く物部に、「おかげさまでな」と近藤は言った。
「しっかし、お前は変わらねぇなぁ…」
「それはお互い様だろう」
結城の消えた光から一度も目を離さず、物部は答えた。
その表情は安心したようで。また寂しそうで。
近藤はわざとらしいため息を吐いて言葉を重ねる。
「思い出したのかよ色々と」
「ああ、結城君がこの半年を忘れたのと逆にね」
強く打った頭のせいか、それとも死の淵にいるからか。
物部の消された記憶は痛ましいほどに戻り、結城のそれは消えていたらしい。
「そりゃ何よりだ」
アイツぁ、流石に気の毒だ。
ガラにも無い事をいう近藤に、自然物部の顔が緩む。
「しかし、こんな長く君がここにいるとはね」
「あぁ?色々と終わるまで見てるくらいは許されてもいいだろうが」
俺だって日本代表の一人だぜ?
いつか物部が滝沢に告げた言葉も聞いていたのだろうか、懐かしい言い回しで近藤が言う。
「それに、ここじゃ半年なんて一瞬だ」
「なるほど」
だから老けたのか。
物部を知る者なら口をそろえてらしくないというだろう軽口を、近藤は舌打ち一つで流す。
「ま、一応結末まで見たし、そろそろ行くか」
やれやれという風な態度だけでは、彼の本当の目的は隠しきれない。
どうせ長生きなんかしやしない自分を。
結城を送った後、一人きりでここに在るだろう自分を。
独りにしない為に居たのだろう。
どれだけ早死にと予想されていたんだか。
失礼なと思った心も、ポンと肩を叩かれる予想外の力強さの前に霧散して。
やがて光に包まれた視界が何も映さなくなるまでの瞬間に。
物部は確かに、おせっかいな知人の少しばかり歪んだ笑顔を目に焼き付けた。
それは、死んでから、天国に行くまでのお話。
劇場版Ⅱ本用に考えてたけどまとまらなかった1*10ネタに、4を入れてみたら思った以上にまとまっちゃったので書いて見ました。
ラブリーボーンていう映画を見たばかりだったので、この世とあの世の間で、時間軸も景色もめちゃくちゃな場所で、彼らが最期の時間を共有してたら何かいいなぁ…という、大変意味不明な文章でした。
ホント、変な話ですみません。
ちなみに最初のあたりの景色は結城君と物部さんが死の間際に見た物で構成。
結城君がちっちゃいのは、精神年齢的な意味です。
1*10なのか1*4*1なのか解りませんが、とりあえず1と4の距離感は『特別な知人』くらいが個人的にとてもツボwww
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